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第40回日本栄養治療学会学術大会 JSPEN2025| 2025年2月
日本最大の臨床栄養の大会で多数の
栄養経営士が登壇、グランプリ受賞も(2)
2025年2月14、15日の2日間、JSPEN2025がパシフィコ横浜ノース/アネックスホールで開催された。「栄養治療の船出」をテーマに行われた大会では本協会の理事や会員が多数登壇、病院食コンテストでは土屋輝幸さんが二冠を達成するなど、各所で栄養経営士が活躍を見せた。簡単ではあるが、大舞台で発表した栄養経営士の勇姿を紹介する。
■1日目からの続き
■2日目
8時半からプログラムが開始され、朝早くから大勢の参加者が会場に詰めかけました。
同時刻からはじまったパネルディスカッション09「改めてERASを考える:術前飲料の摂取について議論してみよう」では宮澤靖代表理事が「周術期管理センターでのERASと炭水化物飲料付加療法」のテーマで登壇しました。自院でのERASプロトコルの導入状況を説明、術前に摂取する炭水化物飲料について詳しく紹介し、今後もプロトコルの改良と新しい栄養サポートの導入等を図り患者に貢献していくと語りました。
また、入江翠さん(手稲渓仁会病院)も「整形外科手術における術前アミノ酸・炭水化物負荷飲料の効果」のテーマで発表しました。術前に炭水化物負荷飲料を飲用してもらうことで、口渇感や空腹感、不安感が減少し、患者満足度に大きく貢献したと報告しました。
発表のあと、宮澤代表理事と入江さんは他の発表者とともに再度登壇し、座長や会場からの質問に答えました。そうそうたる登壇者のなか、落ち着いて答える入江さんが印象的でした。


口演41「摂食嚥下障害2」では熊谷弘美さん(南浜中央病院)が「認知症高齢者の丸飲み嚥下に対するソフト食裏ごしの取り組み~機能が低下しても食べる喜びを感じる食支援~」を発表しました。認知症が進み咀嚼や押しつぶしが困難になった場合、丸飲みを活かした形態の料理を提供することで栄養状態を改善させることが可能だとし、それが患者本人の満足度やQOLの向上にもつながったと紹介しました。

パネルディスカッション08「【アンサーパッドセッション】上質な栄養ケアに向けたNSTと病棟配置管理栄養士の役割と展望」には福勢麻結子さん(東京医科大学病院)が「病棟配置とNST連携で目指す上質な栄養ケア」のテーマで登壇しました。アンサーパッドセッションとは、座長から提示された質問(例:自施設の給食は直営、部分委託、委託のどれ?)について会場参加者がスマートフォン等の機器を使用して回答を送信し、その集計をもとに座長が登壇者に対して質問を投げかけ、登壇者は各々の状況や考え等を述べる、というライブ感覚のプログラムです。他の登壇者とともに壇上に並んだ福勢さんは自身の経験を元にさまざまな質問に回答しました。

合同ワークショップ02日本補綴歯科学会「オーラルフレイルを防ぐ補綴歯科~補綴歯科治療と栄養治療のコラボレーション~」に秋山和宏副代表理事(東葛クリニック病院)が登壇、「モジュール化の視点による地域医療における医科歯科連携」のテーマで発表しました。医科歯科の連携において栄養改善という共通目的が連携の標準化につながり、連携の共通基盤ができれば地域医療も進化していくのではと語りました。
合同パネルディスカッション09日本褥瘡学会「褥瘡対策と栄養療法の連携」では髙﨑美幸さん(東葛クリニック認定栄養ケア・ステーション松戸)が「褥瘡予防における栄養管理の役割と地域連携による栄養介入の重要性」のテーマで発表し、クリニックだけではなく栄養ケア・ステーションを拠点に地域の管理栄養士としても活動するなかで栄養介入して効果をあげた実例を示し、栄養管理の有効性について伝えました。その後はパネリストとして登壇、投げかけられた質問に対し自身の言葉で回答しました。

合同パネルディスカッション07日本心不全学会・日本医療企画心臓リハビリテーション学会「急性期から攻める心不全の栄養療法とリハビリテーション」では「多職種による急性心不全の栄養療法」のテーマで宮澤靖代表理事が登壇しました。自院で行っている急性心不全患者への多職種アプローチによる栄養療法の取り組みについて、エネルギーとたんぱく質の投与について医師・看護師と綿密に連絡をとる、予後のためリハ職と協働で栄養・リハビリを導入するなどした具体的な内容を報告、今後の課題と展開も語りました。
吉田貞夫副代表理事(ちゅうざん病院)が座長を務めた口演15「緩和ケアと栄養」では今回が初めての発表となる河津沙耶香さん(福岡みらい病院)が「緩和ケア病棟における栄養科の関わりと取り組み」のテーマで登壇しました。終末期の患者に寄り添うために食器や食事の分量にも配慮し、誕生日等の特別食にも力を入れた結果、患者や家族から感謝の言葉をもらい、栄養科スタッフのやりがいにもつながっていると紹介しました。

口演27「管理栄養士の病棟配置」では「管理栄養士病棟常駐がもたらすSCU早期栄養介入と看護師連携の利点」のテーマで花岡麻里子さん(西宮協立脳神経外科病院)が発表しました。自院での管理栄養士の病棟常駐がもたらす効果について、SCUの早期栄養介入管理加算の算定割合と看護師へのアンケートを元に報告、常駐により高い算定率と看護師との良好な協働関係が築けていると伝えました。
口演39「栄養指導」では「病院食コンテスト」でグランプリ・準グランプリを獲った土屋輝幸さんが再度登壇し「三位一体の多職種連携がこども食堂にもたらした公衆衛生的栄養教育」のテーマで発表しました。自院で展開している「むさとくこども食堂」の取り組みを紹介し(同取り組みについては『NMEニュース』2024年5月号に掲載)、医療機関がこども食堂に取り組むメリットと公衆衛生的な栄養教育になり得るという結論を報告しました。
ポスター発表(2日目)
65「摂食嚥下障害7」
「嚥下調整食の実情と課題」
後藤幸代さん(大分岡病院)
04「集中治療3」
「集中治療室における早期栄養介入経口摂取への取り組み」
山本純子さん(彩の国東大宮メディカルセンター)
67「糖尿病・肥満1」
「肥満外科手術(腹腔鏡下スリーブ状胃切除術)6ヶ月後の食行動と体重変化」
内潟千尋さん(金沢大学附属病院)