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JMDS2024 in TOKYO| 2025年1月
日頃の成果の発表から最新情報まで
業務や研究に役立つ内容が満載
令和6年12月14日(土)~15日(日)の2日間にわたり、宮澤靖代表理事が会長を務める「日本メディカルダイエティシャン研究会」の年次学術集会「JMDS2024 in TOKYO」が東京医科大学病院で行われました。栄養経営士も多数参加した大会の様子を紹介します。
栄養経営士が大会長! 熱気あふれる大会に
JMDSの大会は毎年12月に開催されており、2024年は東京医科大学病院9階の臨床講堂と会議室を使って行われました。栄養経営士の福勢麻結子さん(東京医科大学病院)が大会長という大役を務め、土曜の午後と日曜の午前という休日開催ながら、会場が連日満員になるほどの盛況ぶりでした。

【初日】
はじめに一般演題1「がん」3演題、一般演題2「回復期・在宅」3講演が行われました。このうち、一般演題2では大桃春奈さん(岩室リハビリテーション病院)と駒井紅美さん(福寿会病院)の二人の栄養経営士が登壇。大桃さんは「回復期リハビリテーション病棟における脳卒中後の注意障害が栄養状態に与える影響」を、駒井さんは「在宅療養患者における訪問栄養指導の実態と課題」をテーマに講演しました。
次に栄養経営士の宮島功さんと齊藤大蔵さんが座長を務めるパネルディスカッション「未来のエキスパートが語る! 今とこれから」が行われました。急性期(循環器、ICU、乳腺)、特養、リハと所属・専門がバラバラの管理栄養士5名がパネリストとして登壇し、参加者からの質問にそれぞれの立場から回答しました。
「病棟スタッフに栄養の重要性を理解してもらう方法や良いアプローチの仕方はあるか」という問いには「依頼されたらすぐ行う、すぐ提案する、をくり返す」「栄養を重視してくれる人がいれば、その人と基盤をつくる」「マニュアルを配る、カンファレンスを行う」といったアドバイスがありました。「今の専門を決めた理由、どうやって決めたか」の問いには「楽しいと感じたから」という回答のほか「絶対にやりたくないことを書き出してみて考えた」という逆の発想の回答もありました。
ほかにも「学会発表の時間をどう捻出しているか」「学生が減っているから増やしたいが、管理栄養士の楽しさをどう伝えればよいか」「病棟常駐でどう変わったか」等の質問があり、活気あるディスカッションが行われました。
初日の最後は済生会横浜市東部病院患者支援センター長の谷口英喜先生が登壇し「あなたの日頃の取り組みを世界に発信してみよう~はじめてとりくむ管理栄養士のための研究発表・論文作成~」と題して特別講演が行われました。
谷口先生は2023年に『はじめてとりくむ管理栄養士の研究発表・論文作成』(医歯薬出版)を刊行しており、この日は書籍の内容をもとに、わかりやすく論文の書き方を説明しました。
論文には書き方のルールがあること、残念ながら管理栄養士の論文はそれに則っていないものが多く不採用になる確率が高いこと、管理栄養士が働く現場は研究テーマの宝の山であることなど、これから論文を書こうと思っている人に有益な情報がたくさん紹介されました。「これから論文を書きたいが、どうすれば良いのかわからない」と思っている人は、ぜひ谷口先生の書籍を読んでみてください。


【二日目】
二日目の最初は一般演題3「心不全」4演題、一般演題4「集中治療・多職種連携」3演題からはじまりました。一般演題4では急遽座長が変更となり、大会長である福勢さんが代役で座長を務めました。
その後、協賛企業によるランチョンセミナーを挟んで、大会最後のプログラム・会長講演として宮澤代表理事と、以前「栄養経営士のつどい東京大会」でご講演いただいた水野英彰先生(目白第二病院副院長)によるトークライブ「腸(超)最先端! 明日から始める腸内環境配慮型栄養サポートの実践」が行われました。

水野先生が腸内環境に関する最新情報を紹介しながら、ときおり宮澤代表理事と話をする形で講演が進みました。慢性疾患発症の割合が高い腸内細菌叢と食習慣との関連や、分娩方法と神経発達との関係、WHO準拠での食物繊維量の必要量の増加など、最新情報もたくさん紹介されました。
終始フランクな雰囲気で行われた講演でしたが、今後開発されるであろう検査技術に対して管理栄養士が対応すべき事柄が増えそうなこと、食物繊維を効果的に摂取するためには2~4週間のサイクルで食物繊維の種類を変えていかなければならない可能性があることなど、気の引き締まる内容も伝えられました。
最後に水野先生は「栄養ほどおもしろい学問はない。やればやるほど未開発の部分も多く、すごく夢のある学問で、これまでの知識だけでも十分患者貢献してもらっている。栄養という学問にすごく感謝しているし、それを専門とする管理栄養士のことはリスペクトしている」と語り「みなさんぜひ飛躍を続けてがんばって欲しい」と参加者を励まして講演は終了しました。
その後は宮澤代表理事による会長あいさつと福勢さんによる大会長あいさつがあり、大盛況のうちに大会は終了しました。
