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栄養経営士座談会 | 2024年8月
仲間との絆を深めながら学び
新たな気づきを得た「宮澤塾」(2)
2024年4月から全6回で開催された「宮澤塾」。少人数制で管理栄養士のマネジメントに特化した内容が学べるとあって、参加者の約半分は栄養経営士であった。今回は「宮澤塾」に参加した寺田師さん、宮坂光さん、篠原明香さん、加藤恵理さんの4名の栄養経営士に、参加した感想を座談会形式で語っていただいた。
★前編からの続き
今回の宮澤塾ではずっと固定メンバーでのディスカッションでしたが、いかがでしたか。
篠原 はじめはもっとシャッフルして欲しいと思っていたんですけど、ずっと同じグループだったことで、一緒に受けてるっていう仲間意識ができました。回を重ねるごとに意見を出しやすくなったし、すごく良かったと思います。
宮坂 固定にはなっていましたが、お休みの方がいると班の中に別の方が入ってこられたりして、新鮮な感じもありました。毎回顔を合わせたから話せたこともあると思うので、今回は固定で良かったなと思います。
寺田 あの短時間であのプレゼンをするには、シャッフルだとかなりキツそうだなっていう気はしますね。あと、回を重ねるごとに役割分担ができて、最後の方は進行がかなり早くなりました。
加藤 私の班は二人のことが多くて、グループワークで別の班に散ってしまったり、他から一人来ていただいたりすることが多かったんですが、そのときに皆さん快く迎え入れてくださったのがすごくありがたかったです。
宮坂 みなさんのお話を聞いて今思ったんですが、もしシャッフルになっても、あのメンバーだったらなんとかできていたかもしれないですね。
参加する前と後で自分の中での変化はありましたか?
宮坂 環境はみんなそれぞれ違うけれど、仕事をする中で感じる違和感を大事にして、それを自分なりに分析して、現状で少しでも改善していくこと、現実的な改善を地道におこなって、アウトプットし続けることが大事だと思いました。
また、時間は有限だけれども、あせらずに精一杯やっていくことが大事なんだ、という基本的なことも改めて感じました。
寺田 宮澤先生のお話で「キーマンを誰にするか」というのがあったんですが、自分以外でということだったので、これから探さなければと思っています。既存のスタッフはもちろん、最近採用にも関わるようになったので、採用の段階からキーマンになれそうな人を探す視点で見ています。そう思って探していると結構楽しかったり、本当におもしろい子が見つかったりするんで、やってみてよかったなって思っています。
加藤 他部署へ提案することについて、今までは無理だろうと諦めていた部分があったんですけど、ダメって言われたら何がダメなのかを考えればいいかと思うようになって、いろいろな提案するようになりました。言い方には気を遣いますが、意外と皆さん「いいんじゃない、やってみたら?」と前向きに捉えてくださることが多いです。
また、提案することで、話題を振ってくれたり、仕事につながることを聞いてきてくださったりすることもあります。
篠原 今までは職場長として自分が引っ張っていかなきゃダメだと思っていたんですけど、グループワークでキーパーソンは主任だという内容があって、同じことを宮澤先生もおっしゃっていましたし、自分が引っ張っていかなければならない、と考えるのは違うということがわかりました。
仕事する上では、他の人に任せたり、お願いしたりして、みんなでやっていくというのが大事なんというのをすごく感じました。
宮坂 追加で少しいいですか。
行政の立場で仕事をしていて、何か小さなことを実行するにしても、今、国が、東京都が、自分の区が、自分の係がどこに向かっているのかを理解した上で企画するのと、あまり背景を理解せずに動くのとでは、同じことをやったとしても、そこに賛同してくれる数とか温度差が相当違うと感じています。自分の役割を果たすためには、周りのことを勉強して理解してないと言葉に重みがなくなるんですよね。
私の場合、今の係は管理栄養士が一人です。他の職員は、事務職、PT(理学療法士)、OT( 作業療法士)、保健師です。それぞれ職種としての背景が異なるため、職場では幅広い共通言語の理解が必要なことを感じています。そうして初めて、小さな新しい一歩を受け入れてもらえて、地域の方のための仕事が進められると考えています。
宮澤先生はかなり引いた視点からも物事を見て、考えて動いていらっしゃるので、そういうところが勉強になったと思います。
最後に、これからの目標を教えてください。
篠原 さっき話したことと同じになりますが、自分でがんばってやらずに人に任せるということをがんばっていきたいと思います。
宮坂 私もさっきの話と重なるんですけども、自分が所属している仕事がどういうところに紐付いているかをしっかり理解して、対等に話していくための言語や知識を学びながら仕事を進めていこうと思います。
また、どこも同じで管理栄養士の立場というのは決して強くはないんですが、周囲の方も管理栄養士の重要性は感じていただいているので、それに対していかにアウトプットするかが課題です。自分ができる範囲で、継続的に地域の方のためにアウトプットしていきたいと思っています。
あとは個人的な目標になりますが、せっかく入った大学院をきちんと卒業できるようがんばりたいです。
加藤 今回すごくいろいろなことを教えていただいたので、失敗を恐れず、仕事にどんどん取り入れていきたいと思っています。
患者さんが良くなるために何をしなければならないかをもう一度考え直しながら、いろいろなことを実践して、ダメでも失敗したら何が良くなかったかの原因を必ず分析して、前向きに業務に取り組んでいきたいと思っています。
寺田 今回参加して、管理栄養士はマネジメントを担う医療職として、いろいろな場面で中心になっていけば良いのではと考えました。受動的ではなく、他職種も使って能動的にマネジメントを行い、栄養管理する姿を出していけると良いのではと思っています。
病院の中で管理栄養士の比率は高くない場合が多いのですが、自分から積極的に治療に関わって提案や依頼を行い、他職種を動かしていけるような管理栄養士にみんながなって欲しいなと思っています。