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人を学ぶ 人に学ぶ 人と学ぶ 「宮澤塾」第一期開催中! | 2024年6月

栄仲間とともに成長し
栄養の未来を語り合う学びの場

宮澤靖代表理事のこれまでの生き方や仕事への考え方にふれ、人間としての魅力を感じながら、自分自身を成長させていく場として2024年4月からはじまった「宮澤塾」。毎月1回、全6回で開催しており、6月11日(火)の第3回で折り返し地点まで到達した。宮澤代表理事に「宮澤塾」に対する思いや今後の展望等をうかがった。

宮澤代表理事

管理栄養士が殻を破る手法=マネジメント

長年「栄養経営士」資格認定基礎講習(以下、基礎講習)で全国の管理栄養士の皆さんに講義を行って感じたのは「管理栄養士はがんばっている。でも、今ひとつ殻が破れない」ということです。これは病院や施設のレギュレーション( 規定、規則)の問題であることが多く、経営層からの圧力や部署の温度差等、個々人の努力では何ともできないようなものが存在していると感じています。

たとえば、アメリカでは栄養士に関して法が整備されており、しっかりとした地位も認められています。しかし、日本では法が整っておらず、社会的認知度もまだまだ低いのが現状です。

では、どうすれば良いのか。そこで私が考えたのは「マネジメントをしっかりと学び、データやエビデンスに基づいた報告・提案や将来の収入予測等が行えるようになれば、殻が破れるのではないか」ということでした。

ただし、一日しかない基礎講習では、そこまでの内容を網羅することはできません。そのため、何らかの形でマネジメントの講座ができればいいなと考えていたときに、日本医療企画さんから「宮澤塾」のお話をいただき、渡りに船とすぐに開設が決まりました。

塾生を一気に山頂目前まで引き上げる魔法

「宮澤塾」の予定の半分を消化して感じたのは、皆さんすでにいろいろ考えて取り組まれているな、ということです。もっと困っているかと思いましたが、しっかりと取り組まれている方が多い。でも、もう一歩のところで止まってしまっている印象を受けます。

今回は第一期ということもあり、モチベーションが高い塾生が多いのも関係しているかもしれません。回を重ねれば、登山で言うところの、一、二合目で山の高さに呆然としてしまう人が増えるのではと思っています。そんな人でも「宮澤塾」を経験することで、一気に八、九合目まで到達できる。私は皆さんを引き上げる、ロープウェーになろうと思います。

私は講義中によく「皆さんに魔法をかけます」と言うのですが、この「魔法」とは、マネジメントの魔法です。現在はまだ半分しか披露しておらず、後半はもっとすごい魔法を用意しています。期待していてください。

塾の修了は終わりではなくスタートライン

塾の冒頭で何度も話していますが、「『わかる』から『できる』になる」がこの塾の最大のコンセプトです。理解するだけではダメ、持ち帰ってから自分でもできることが重要です。

理解しても行動に移せない、立ち止まってしまう場合、共通点として、以下の二つがあると考えています。一つは「どうせ栄養士だし」というあきらめ。これは栄養士の文化と言ってもいいかもしれません。

二つめは、疑問を持つという習慣がないこと。たとえば、厨房から3回ちゃんとご飯が出ればそれで十分と思い、ルーチンワークに埋没していると疑問も持ちません。

日々の業務に疑問を持ち、「これをこうしたらどうなるだろう」とその疑問を明確化すれば、変革の糸口が出てきます。ここを、塾を通して広く伝えたいと思っています。

塾生のみなさんには、とにかく「わかる→ できる」の「できる」に意識を持って欲しい。全6回受講したら「終わり」ではなく、そこからが「スタート」です。塾は助走期間で、修了してからが本番。そういう意識で受講して欲しいと思います。

日々前進し、早期失敗から成功へとつなげる

「宮澤塾」は対面による交流やディスカッションを重視するという性質上、オンラインでの開催はなく、現地会場のみで行われています。

今は東京の一カ所だけですが、今年12月に予定している福岡での開催を筆頭に、地方での「宮澤塾分校」を予定しています。もちろん、私が現地で講義を行い、皆さんにマネジメントの魔法をかけていきます。

そうして塾での学びを自組織に落とし込み、成功も失敗も経験を積んで、それを次に伝えていく人材を発掘したいと思っています。「宮澤塾」としても、塾生から講師が生まれ、こうした考え方をさらに広く伝えていける人を育てることも目標のひとつと考えています。

現地に来られない人は、自分たちがいま置かれている環境でよいので、昨日よりも一歩、いや半歩でもいいから前に出てみてください。前に出るためには、日々疑問を持つことが重要です。「これは有用なことか? 」「患者にとってはどうか? 若い栄養士には?」と疑問を持つことでアクションが起こり、そこから変革が生まれます。

何事も一気に文化は変わりません。毎日少しでも良いから前進して立ち止まらない、それをまずは意識してみてください。

ちなみに、私も失敗ばかりで、マネジメントの8割は失敗事例です。成功は2割くらいしかありません。ただし、再起不能になるような失敗はせず、傷口が浅いうちに撤退します。傷口が浅ければ、失敗の原因を探り、改善してすぐに次の挑戦につなげることができます。

「宮澤塾」でも早期失敗を推奨していますが、そうして早期失敗から学び、修正を重ねることで、成功に至ることができるのです。ですから挑戦を恐れず、小さな失敗をくり返しながら、目標へと前進してください。

管理栄養士の存在価値を今一度見つめ直そう

現在、管理栄養士を取り巻く状況は刻々と変化しており、その変化に付いていくだけで大変です。そうしたなか、どうすれば良いのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

根本的な問題として、病院や施設の管理栄養士の数が不足しており、解決するには増員しかありません。それには法整備が必要ですが、現場レベルでもできることがあります。それは、病院や施設の経営層に「管理栄養士が必要だ」と思ってもらえるような業務、患者・利用者サービスをして認めてもらうことです。

人数に見合った業務内容に圧縮し、そこで100%パフォーマンスが発揮できれば、業績が上がります。業績が上がれば収益が増え、収益が増えれば人が増やせます。そしてまた同じことをくり返せば、増員が可能になります。

業務に対するモチベーションに不安がある場合には、ぜひもう一度、自分たちの存在価値を考えて欲しいと思います。

超少子高齢社会の日本では、高齢者の割合が増えて患者が増える一方、少子化で労働者人口は減少していきます。つまり、社会保障費は増えるけれど、納税者が減ってしまうのです。今までのような薬品依存型の医療では持続できず、栄養、食事で予防・治療する時代になるでしょう。そうなれば、管理栄養士の活躍する場所はものすごく増えるはずです。

世界に誇る国民皆保険制度を守り、子どもやその次の世代に伝えていくためにも「栄養で、自分たちの専門領域で予防・治療するんだ」という使命感を持って業務にあたって欲しいと思います。

「宮澤塾」で仲間と切磋琢磨し成長しよう

管理栄養士の皆さんは、学校でマネジメントを学んでいません。そのため苦手とする人が多いのですが、苦手だからと敬遠していては何も変わりません。よって、私の経験やノウハウを伝えることで、次世代、次々世代まで上手くリレーのバトンが渡ればいいなと考えています。

上司や経営層に何かを訴える、他部署に情報を伝える、いずれにしても何らかのツールや力が必要になります。その潜在能力を持ってはいるけれど残念ながら手法を知らない、そうした人を発掘し、成長を促すのも「宮澤塾」のミッションの一つです。

ぜひ、一般企業でも使われているような手法を身につけ、それを自院・自施設の組織文化にあわせて落とし込み、栄養部門の変革を進めてください。

一人でも多くの人に「宮澤塾」で仲間と切磋琢磨しながら学んでいただき、自分自身の成長を感じ、栄養の未来を描いて欲しいと思います。


「宮澤塾」参加者の感想(第1~3回のアンケートより)

今一番悩んでいる内容について、詳細にわかりやすく説明していただき、共感できる内容でした

自分の考えに不足していることが見えたような気がしました。

仕事だけでなく、プライベートでも活用できる内容、考え方であり大変学びになりました。」

まずは相手を認めて、相手の回答と自分の求めているものについてのすり合わせが必必要であると理解できました。

ラダーの資料を実際にみせていただけたうえにデータまでお送りいただけて、大変うれしいです。参考にさせていただきます。

信念を持たれ実践されていることをお聞きできとても勉強になりました。

田中先生の人材育成へのお考えはいつも素敵だなと思っていました。自立自動できる部署にしていきたいです。

さまざまな栄養管理が求められる時代となりました。今度ぜひ29人もの管理栄養士への増員アピールと経営実績を伺いたいです。