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2023年度「栄養経営士」基礎講習 全日程終了
講習修了者の全累計は2,301人に
栄養部門だけの収支にとらわれることなく
全体最適を考える経営感覚を身につけよう
日本栄養経営実践協会が主催する2023年度「栄養経営士」資格認定基礎講習(以下、基礎講習)仙台会場が11月18日(日)に開催された。今年度最後の日程となった基礎講習は現地会場とWEB受講のハイブリッド方式で行い、現地参加の5人とWEB参加の21人、合計26人が参加。2015年のスタートから現在までで会場+WEBの受講修了者の累計は2301人となった。
基礎講習は、本協会の宮澤靖代表理事を講師に迎え「栄養経営士としての考え方、心構え」を学ぶセミナーである。現在は年3回、全国各地の会場とライブ配信の2本立てで行っており、2023年は東京、北海道、仙台の3会場で行われた。今年の会場参加者 は22人、WEB参加者は65人で合計87人が参加。当日は宮澤代表理事からの熱いメッセージを受け取った。
講義では、午前中に栄養部門の重要性と自部門の現状分析について、午後からは目標設定と達成に向けた実践的アプローチ、アウトカム指標、「栄養経営士」に求められる教育と人事能力、病態把握能力と臨床栄養教育について、具体例を挙げながら詳しく説明した。とくに、宮澤代表理事が勤務先である東京医科大学病院で実際に行っている業務改革の内容を紹介しながらの講義は、参考になった参加者も多かったのではないだろうか。
開催後に参加者より提出されたレポートからは「抱えている課題について、打開策やどういった取り組みをすればよいかを具体的に学ぶことができ、とても勉強になった」「病院管理栄養士として一番大切なことが何かを思い出させてもらった。原点に戻り、日頃の業務を見直すきっかけとなった」といった声が聞かれ、決意を新たに業務改革に取り組もうとする姿が感じられた。いくつか感想を下段に掲載しているので、ぜひ目を通していただきたい。
コロナ禍以降、病院経営は苦しくなっており、今後は「1部門だけではなく施設全体での収益を考える」ことが必要になってくる。そのときに栄養部門で力を発揮するのが、経営感覚とマネジメント能力を持つ「栄養経営士」である。2024年度の基礎講習は、大阪、福岡、東京での開催を予定している。一人でも多くの管理栄養士が基礎講習に参加し、資格を取得して「栄養経営士」となり活躍して欲しい。
2023年度基礎講習 参加者の声
当院栄養部の問題点は、トップのビジョンが部内全体に伝わっていないことであり、役職者が管理職としての役割と果たしておらず、いつまでもプレーヤーでいようとするところであると考えていた。講習を通して、やはり、ビジョンを明確にすることが大切であると改めて確認することが出来た。まずは、ビジョンを明確に、部内全体に伝えて欲しいことをトップに伝え、部内全体で患者利益につながるような栄養管理を行っていきたい。(病院勤務・仙台会場参加者)
講習で学んだことの今後の業務への活かし方として、業務の選定を行えるよう、業務マネジメントの手順に従い、今一度本当に必要な業務なのか見定めたいと思います。現状の業務の中には、立ち上げから慣習化している業務があり、「本当に必要なのか」説明がちゃんとできない業務がすでに思いつくぐらいです。一度精査し、業務の大胆なカットに勇気を出して取り組んでみたいと思います。(介護施設勤務・仙台会場参加者)
病院管理栄養士として一番大切なことは高度な技術を持って患者さんのQOLの向上に貢献することだということを思い出させていただいた。目先の指導件数や計画書の作成枚数などのノルマに囚われてしまいがちであるが、原点に戻り、日頃の業務を見直すきっかけとなった。(病院勤務・札幌会場参加者)
私を含む上席者に業務が集中し、業務整理や部門発展のための分析ができず、課題や目標を部門内で共有出来ないために、部下の自律、成長に繋がらないことが自身の中で明らかとなった。自施設および栄養部門のビジョンを部下へ共有し、役割を認識させることで、現状に満足せず、自らも目標をもって働けるように示し、「リーダーの行動」をもとに、個々に応じて伝え方を変えていきたい。(病院勤務・札幌会場参加者)
病棟は栄養士を求めている・ニーズがあるということを再確認し、現状の業務を突き進むことで自分が目指す道があるのだと確信することが出来ました。宮澤先生がお示しいただいた、病棟専従となる前後で栄養士への問い合わせ件数の増加についても当院で同様の結果だったため、当院の病棟でも栄養士は求められていることを栄養課内にもっともっと周知し、病棟専従を増やし、患者ファーストの栄養管理が遂行できる病棟を増やせるよう取り組みを続けたいと思いました。(病院勤務・東京会場参加者)