お問い合わせ 資料請求

ニュースロゴ

第2回北海道支部研究会「人材育成におけるラダー活用」 | 2023年8・9月

仲間と課題を共有し、自院にあったラダーを考えよう

7月22日(土)、北海道支部は「人材育成におけるラダー活用」をテーマに、会場およびオンラインのハイブリッド形式で研究会を開催しました。協会本部および北海道支部の田中智美理事のほか、この日は翌日に基礎講習札幌会場を控えた宮澤代表理事も途中参加し、活発な意見交換が行われました。

北海道支部研究会
会場とオンラインあわせて50人ほどの参加者が集まった

3つの事例から考える人材育成のあり方

はじめに田中理事(医療法人渓仁会手稲渓仁会病院)が、趣旨説明とともに「人材育成に正解はないため、まずは互いの取り組みや課題を共有しよう」と呼びかけ、研究会はスタートしました。

事例発表1人目として医療法人社団慶友会吉田病院の阿部孝枝さんが登壇し、ラダー作成の経緯や気付きなどを解説しました。栄養部門の人材が定着しない課題があったことから教育の必要性を感じ、『栄養経営士テキスト』を参考にラダーを作成したと振り返った阿部さん。「ラダーには臨床栄養の質の標準化を目指した教育体制の整備と、適正な評価でキャリアアップの方向性を確認できるような要素を盛り込んだ」と説明。これによって部門内の業務整理と人事考課での客観的な面談が可能になった一方で、知識の習熟度の個人差や新卒教育の課題も見えたと語りました。最後に「業務の質の標準化を意識し、より効率よく育成できるようラダーをアップデートしていきたい」と締めくくりました。

2人目には、社会医療法人医仁会中村記念病院の稲葉久子さんが登壇。稲葉さんは、教育体制の不十分さに気付くきっかけとなったのが「今年度から給食管理が直営から全面委託となり、栄養管理業務を見直したこと」だったと説明しました。さまざまな課題が明るみとなったため、まずは個人課題を解決するための目標シートを導入。さらに業務ごとに部門を設けて担当別に推進していけるよう組織を変革している最中であるとし、「課題をSWOT分析で洗い出しながら、『まずはやってみよう』の合言葉で取り組んでいる」と説明しました。最後に、「栄養課としての目標を明確にしたうえで、これを取り入れたラダーを作りたい」と抱負を述べました。

続いて田中理事が、実際に運用している教育ラダーをもとに、令和時代における人材育成のあり方について持論を展開しました。発表のなかで田中理事は、「人材育成は1日にしてならず。長期的な視点を持ちながら、自分の意思で登りたくなる階段を設計することが求められる」と、ラダーの必要性を強調。そのうえで自院の具体的な運用方法を解説しました。その後は宮澤靖代表理事をオブザーバーとして迎え、会場とオンライン交えてディスカッションが行われました。

第3回は10月28日(土)に開催予定。「栄養部門の災害対策&危機管理どうしてる?」をテーマに集合形式で開催します。