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新会員サービス「オンラインサロン」 大好評開催中! | 2022年12月
加算のつきにくい中小病院でも
経営に貢献する気持ちを持とう!
本協会の栄養経営士・栄養経営サポーターのみが無料で参加できる「オンラインサロン」。第20回は11月30日(水)18:30より行われました。協会からは宮澤靖代表理事、吉田貞夫理事、真壁昇理事、山下茂子理事、田中智美理事が出席し、参加者からの話題や質問に対しみんなで意見を出し合いました。
この日、最初の話題は「中小病院における現状について」。加算が大きな病院に集中し、200床未満の病院では加算がつかず人も増やせずで業務を絞らざるを得ない、がん病態栄養専門管理栄養士の資格取得の希望が出ても臨床研修に出せる状況になく、病棟や在宅での栄養管理に力を入れたくともなかなか難しい、他の病院はどうでしょうかという問いかけがありました。
協会本部理事の先生方は400床以上の大きな病院に勤めていらっしゃる方が多く、なかなか回答が難しかったのですが、ちゅうざん病院(216床)で副院長を勤める吉田理事が「以前は200床未満の病院にいたこともあるし、話も時折入ってくるが、200床未満でコストのかかる救急を受け入れているところは、今とても苦しいと思う。人口が少ない場所の中核病院なども同じ。経営的に厳しく、存続すら危ぶまれるほど。公立病院も厳しく、民営化の可能性もあるかもしれない」と中小病院が直面している大変に厳しい状況を説明しました。それを踏まえたうえで「栄養科が『採算の合わない部門』になっていなければ最低限はクリアしていると考えていい。できればプラスにして、経営に貢献して欲しい」との話がありました。
この日、途中参加した北海道支部の理事である角(かく)直子先生からは「勤務先(札幌禎心会病院)は279床だが、早期栄養介入管理加算など、加算はある程度取ることができた。がん病態栄養専門管理栄養士も難しいと思っていたが、実地修練施設の要件が緩和されて申し込むことができた。チャンスはどこにでも転がっているから、あきらめないで欲しい。新しい情報を仕入れつつ、現状できることを行って力を貯めておくことも重要だと思う」と励ましの言葉がありました。
また再度、吉田理事から「中小病院には中小病院の良さがある。200床未満の病院では、治療にあたる主要メンバーが顔見知りで、気軽に声を掛け合える。経営で大変な思いをしている院長に給食を持っていったときに、いたわりの声をかけることもできる。人としての信頼関係の良い面が築けるのが中小病院の良さで、大病院にはないメリット」との説明もありました。
たしかに、診療報酬の加算はその性質上、大病院から順次中小規模の病院へと広がっていくので、中小病院は恩恵を受けにくくなってしまうかもしれません。しかし、自分たちの番に備えて準備をしておくこと、またコミュニティとして小さいからこそ生まれる利点をぜひ活用し、病院経営に貢献してもらえればと思います。